2025年08月26日
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電気工事と防犯システム〜監視カメラ・センサー設置で安心を確保する方法
侵入窃盗や置き引きなどの犯罪は社会問題として注目され続けています。警察庁の統計によれば、2024年の侵入犯罪は前年比で減少傾向にあります。
しかし「数が減ったから安心」とは言えず、依然として多くの事件が発生しているのが現実です。
そのため、企業や居住者の間で防犯への関心はむしろ高まっています。
とりわけ中小企業やマンション、商業施設などでは「防犯システムを導入して安心を確保したい」という需要が広がっています。
ただし、防犯カメラやセンサーを単に設置するだけでは十分な効果は得られません。
安定した電源供給や配線設計といった電気工事の品質が、防犯機器を最大限に活用するための基盤になります。
1. 防犯システム導入のニーズと背景
導入の背景には以下のような要因が挙げられます。
・中小企業:現金や在庫の盗難防止、従業員の安心感向上。
・マンション:入居者の安全確保や資産価値の維持。
・店舗:万引きや内部不正の抑止、営業時間外の監視。
また、警備業界では人手不足が課題とされており、警備員常駐に代わる手段として「カメラ+センサー+遠隔監視」の仕組みを採用する動きが見られます。
加えて、クラウド録画やスマートフォンでの映像確認といったサービスが普及し、ネットワークと電気工事を組み合わせたシステム設計が求められるようになっています。
2. 防犯カメラ設置に必要な電気工事
・電源工事の重要性
防犯カメラは多くが24時間稼働するため、安定した電源が不可欠です。
延長コードや既存コンセントの流用では過負荷や停電リスクがあるため、専用回路やUPS(無停電電源装置)の導入を検討することが望ましいとされています。
・配線工事の種類
- 有線カメラ:LANケーブルや同軸ケーブルを利用。複数台設置では配線ルートを事前に設計することが必須。
- 無線カメラ:Wi-FiやLTE通信に対応していても給電が必要な場合が多い。電池式・ソーラー内蔵タイプも存在しますが、稼働時間や電波環境の制約があります。
・PoE(Power over Ethernet)の活用
PoE対応カメラならLANケーブル1本で給電と通信を兼用でき、省配線が可能です。小規模オフィスや店舗での導入に適しています。
・照明と連動した設置
暗所では赤外線対応カメラや照明と連動するシステムを取り入れることで、夜間でも判別性を確保できます。駐車場や共用通路ではセンサー照明と組み合わせると防犯効果が高まります。
3. センサー機器設置と電気工事
・人感センサー
動作を検知して照明やアラームを作動させる仕組み。電源や連動制御のための配線工事が必要です。
・窓・ドア開閉センサー
小電力で稼働し、無線タイプも普及しています。ただし電池切れ防止のための定期点検が不可欠です。
・非常ボタン・防犯ベル
異常時にアラームを発する装置。多くはバッテリー内蔵ですが、UPSなどのバックアップ策を併用することで停電時にも作動を継続できる体制が整えられます。
・IoTセンサー
温度・振動・異常開閉を感知し、クラウドへデータを送信するタイプ。Wi-Fiや有線LANの確保に加え、安定した電源工事が求められます。
4. 電気工事業者に依頼するメリット
・安全性:感電や火災リスクを防止。
・最適配置:死角の少ない配置を提案可能。
・法令遵守:電気工事士資格が必要な範囲を適切に施工。
・アフターサポート:設置後の点検や不具合対応も可能。
DIY用キットも販売されていますが、固定配線工事は原則として有資格者に依頼すべきとされています。
5. 導入コストと補助金の活用
・初期費用の参考相場
- 小規模オフィス:20〜50万円前後(カメラ数台+録画機器)
- マンションや工場:100万円以上かかる場合も(カメラ多数+センサー+ネットワーク工事)
・維持費用
録画機器の点検費、クラウド利用料、通信回線費用、定期点検費用など。
クラウド録画サービスは容量や保存期間に応じて月額費用が変動します。
・補助金・助成制度
一部の自治体では、防犯カメラ設置に対する補助制度を設けています。
対象範囲や助成額は自治体や年度によって異なるため、導入前の確認が欠かせません。
6. 想定導入例:活用術から学ぶ防犯システムの効果的な使い方
・中小企業オフィスでの活用術
入口と倉庫にカメラを設置し、人感センサーと連動。夜間に不審者が侵入した場合、自動で録画とアラームが作動します。
犯罪抑止効果が期待できるほか、従業員が残業する際の安心感にもつながります。
・マンション共用部での活用術
エントランスや駐輪場にカメラを設置し、「監視中」である旨を掲示。
これにより不審者の侵入を抑止しやすくなります。
加えて、ゴミ出しルール違反や駐輪トラブルなど生活上の問題防止にも有効と考えられます。
・店舗での活用術
レジ周辺やバックヤードにセンサー連動カメラを設置。
内部不正や万引き防止に効果を発揮しやすく、記録映像の定期確認によって業務透明性の向上や従業員モラルの改善にもつながります。
7. まとめ
防犯カメラやセンサーは「設置するだけ」で十分ではありません。
適切な電気工事によって電源と配線を安定化させ、死角を減らして初めて効果を最大化できます。
導入時は信頼できる電気工事業者に依頼し、補助金や助成制度も上手に活用することが大切です。
防犯システムと電気工事は、安心・安全を守る社会インフラとして今後ますます重要性を増していくでしょう。